新卒でIT企業に入社し、SES(システムエンジニアリングサービス)としてクライアント先に常駐しながら、開発業務に携わっていました。配属当初は、プログラムの基礎やソースコードの書き方など、実務を通して学びながら作業を進める日々でした。初めての現場では、先輩方のコードを読み解いたり、小さな改修や機能追加を任せてもらうことから始まりましたが、徐々に設計や実装の一部を任されるようになり、責任ある立場で開発に取り組むことができるようになりました。現場での経験を通して、実践的なスキルだけでなく、報連相の重要性やチームで働く上での姿勢など、社会人としての基礎も多く学ぶことができたと感じています。
当時はSESとしてさまざまな現場に常駐していたのですが、配属先が決まった後の自社からのフォローがほとんどなく、現場で孤立しているような感覚に悩まされていました。技術的な面でもメンタル面でも相談できる相手がいない状態が続き、「このままここで成長していけるのか」と漠然とした不安を感じていたのが正直なところです。
そんな中、知人を通じてICSSで働くエンジニアの方とお話しする機会がありました。その方の話から、ICSSがエンジニア一人ひとりを大切にし、現場任せではなく、組織としてサポート体制がしっかりしていることを知り、大きな安心感を覚えました。直接お誘いを受けたわけではありませんが、「こういう会社でなら、もっと前向きに成長できそうだ」と感じたことが、転職を考える後押しになりました。
現在は、プロジェクトの立ち上げ段階から参画させていただく機会が増えており、要件定義や事前調査といった上流工程から業務に携わっています。これまでは実装フェーズが中心でしたが、徐々に業務にも慣れ、クライアントの課題整理や要望のヒアリング、技術的な方向性の提案など、より上流の視点を持った役割を担えるようになってきたと感じています。
最初の段階から関わることで、プロジェクト全体の流れや目的を深く理解できるようになり、実装フェーズにおいても「なぜこの機能が必要なのか」「どんな背景があるのか」を意識しながら進めることができています。視野が広がった分、責任も大きくなりますが、やりがいを感じながら取り組んでいます。
ある案件で、クライアントとの打ち合わせ中に、要件の一部について「もしかすると認識にズレがあるのでは」と感じたことがありました。ただ、その時は自分の理解に自信があるわけではなく、「もし勘違いだったらどうしよう」と不安に思いながらも、思い切って再確認をお願いしてみたんです。
結果として、やはり双方に認識のズレがあり、プロジェクトの初期段階で軌道修正ができました。もしあのタイミングで確認していなければ、開発が進んだ後で大きな修正が必要になっていたかもしれません。
この経験を通じて、たとえ自信がなくても「違和感を感じたら、必ず言葉にして確認する」ことの大切さを実感しました。クライアントと信頼関係を築く上でも、勇気を持って一歩踏み込む姿勢が大事だと強く感じた出来事でした。
上流工程に関わることで、クライアントやユーザーの業務の背景に直接触れられるのは、大きな魅力のひとつだと感じています。打ち合わせを通じて「なぜその機能が必要なのか」「何に困っているのか」といった本質的なニーズに触れ、業務全体への理解が深まっていく過程はとても面白く、学びの連続です。
また、要件がまだ曖昧な状態で「どうしたらいいか分からない」といったお声をいただくこともありますが、こちらから整理案や選択肢を提示することで、要件が具体化していく場面にも立ち会います。自分の提案でプロジェクトが一歩進む感覚は非常にやりがいがあり、「チームの一員として価値を出せている」という実感につながっています。単なる開発者ではなく、課題解決のパートナーとして関われる点に、大きなモチベーションを感じています。
やはり一番の魅力は、ユーザーとの距離が近く、要件や背景を直接聞ける環境にあることだと感じています。仲介が入らない分、会話のキャッチボールがスムーズで、業務の背景や本当の課題が把握しやすく、解決に向けた提案もしやすいです。
たとえば、仕様書だけでは読み取れない細かな意図やニュアンスも、ちょっとした会話から汲み取れることが多く、ズレの少ない開発につながっていると実感します。また、疑問があってもすぐに確認できたり、「こうしたほうが良いのでは?」という提案がダイレクトに届きやすいため、より能動的に仕事に取り組める環境だと思います。
自分の意見や工夫がユーザーの反応に直結するという点で、やりがいや充実感がとても大きいですね。
私自身まだ学びの途中ではありますが、上流工程に関わるようになって実感しているのは、システムの知識だけではなく「業務そのものへの理解」も求められるということです。
そのためには、まず自分が携わる業務にしっかり興味を持つことがとても大切だと思います。単に「どう作るか」ではなく、「なぜそれが必要なのか」「どんな業務課題を解決したいのか」といった背景に目を向けることで、自然と視点が広がっていきます。
また、分からないことをそのままにせず、早めに周囲に聞いて解決していくことも大事です。上流は「聞く力」が本当に問われるフェーズなので、「知ったかぶりをしない」「理解できるまで掘り下げる」姿勢が、結果的にクライアントやチームの信頼にもつながっていくと思います。
少しずつでも積み重ねれば、必ず見える景色が変わってくるので、焦らず前向きにチャレンジしてほしいですね。